論語
論 語 ・ 素 読 十 句
実語教も、童子教も、学問のすゝめも——寺子屋の本の水源をたどると、二千五百年前の一冊の言行録に行き着きます。まずは十句、声に出して。
いまのことば
『論語』は孔子と弟子たちの言葉の記録。
寺子屋の学びの水源から、選りすぐりの十句を素読する。
十句——声に出して
- 学びて時に之を習う、亦説ばしからずや学んだことを、折にふれて復習する。なんと嬉しいことではないか。
- 朋有り、遠方より来たる、亦楽しからずや友が遠くから訪ねてくる。なんと楽しいことではないか。
- 吾、日に三たび吾が身を省みる私は毎日、何度も自分をふり返る。(曾子のことば。心事の棚卸しの原点)
- 故きを温めて新しきを知る古いことをよく学び、新しい発見をする。(国語の間「温故知新」で読んだ句)
- 学びて思わざれば則ち罔し、思いて学ばざれば則ち殆し学ぶだけで考えなければ身につかない。考えるだけで学ばなければあやうい。
- 過ちて改めざる、是を過ちと謂うまちがえること自体ではなく、改めないことこそが、本当のまちがい。
- 己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ自分がされたくないことを、人にしてはいけない。
- 三人行けば、必ず我が師有り三人で歩けば、そこに必ず自分の先生がいる。よい人からも、そうでない人からも学べる。
- 之を知る者は之を好む者に如かず、之を好む者は之を楽しむ者に如かず知っている人は、好きな人にかなわない。好きな人は、楽しんでいる人にかなわない。
- 義を見て為さざるは、勇無きなり正しいことと分かっていて、しないのは、勇気がないということだ。
水源の一冊
ここまで読んできた本の、あちこちに『論語』は流れていました。実語教の「君子」、童子教の「愚者は遠慮なし」、学問のすゝめ三十番の「己達せんと欲して人を達す」、そして温故知新。十句を声に出して読むと、あの本この本で出会った言葉の「原液」に触れられます。
おすすめの読み方は、寺子屋と同じ素読。意味は後回しで、まず声に出して、リズムごと覚える。「まなびてときにこれをならう——」。口が覚えた言葉は、必要な日に、意味を連れて戻ってきます。
十句のうち、今日のあなたに効く一句が、きっとあります。それを今週の言葉にしてみてください。
考えてみよう
- 問一十句をすべて音読してみましょう。いちばん口になじんだのはどれですか。
- 問二「今日の自分に効く一句」を選んで、理由を言葉にしてみましょう。
- 問三「知る・好く・楽しむ」——いまのあなたの勉強は、三段のどこにいますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——『論語』は約500の章句からなる言行録で、日本には応神天皇の時代に伝わったと『古事記』『日本書紀』が記します。寺子屋から現代の教科書まで、日本人が最も長くつきあってきた外国の古典です。