出口王仁三郎が口述した、全81巻の長い物語。底本は公開されている電子テキスト。原文の場所(巻・章)をそえて、書かれていることを紹介します
霊界物語とは、どんな本?
第1巻の「序」(大正10年10月20日)で、王仁三郎はこう書きます。
おなじ序で、読者への注意も書いています。神々の名前が自分の姓名に似ているからといって、それをすぐ自分の過去の霊的な活動だと思いこむのは、まちがいだ、という戒めです。
巻末の「附記 霊界物語について」では、全部を読み通さなくても、第1巻のある一点や基本宣伝歌の三章を味わえば、全体の精神が分かるはずだ、という趣旨のことを述べています(rm019901)。
| はじまり | 大正10年10月18日(旧暦9月18日)。大本事件のさなかに、松雲閣で『霊界物語』と名づけて口述にとりかかった。第73巻 序文(rm730001) |
|---|---|
| 筆録した人 | 序文には、加藤明子、桜井重雄、外山豊二、北村隆光らの名がある。同上 |
| ペース | 第37巻の序(大正11年10月12日)によると、第36巻までで原稿用紙(百字詰)4万5千枚、着手日数は180日。rm370001 |
| 予定 | 全120巻で完成させる予定だった。第1巻の附記にも、第37巻の序にも、第73巻の序文にも書かれている。実際に残ったのは81巻。 |
| 再開 | 昭和8年(1933年)10月4日に「天祥地瑞」と名づけて口述を再開した(天恩郷・千歳庵)。rm730001 |
第37巻の序で、王仁三郎自身が「阿房陀羅に長い物語」とも書いています。それでも「神示の大要」を口述するために、百二十巻ぐらいにしたい、という考えでした。
目次どおりの区分です(章の数は、序・総説・附録をのぞく本文の章)。
| 部 | 巻 | 章 | 原文の序文・総説・目次から言えること |
|---|---|---|---|
| 霊主体従 | 第1〜12巻 | 526 | 第1巻は、高熊山の修行→幽界・神界の探険→天地の剖判→竜宮城をめぐる戦い→御玉の争奪、と進む(章題)。 |
| 如意宝珠 | 第13〜24巻 | 220 | 第13巻の「モノログ」で、全巻に三つの大きな流れがあり、一冊二冊の拾い読みでは真相はつかめない、と述べる。 |
| 海洋万里 | 第25〜36巻 | 266 | 第25巻の序文は「改心物語」と呼ぶ。第36巻の総説では、八乙女の一人・君子姫が、シロの島(現在のセイロン島)にたどりつく。 |
| 舎身活躍 | 第37〜48巻 | 262 | 第37巻の序は、この部で王仁三郎自身が霊界に仕えた経路(穴太での修行、綾部での出口教祖との面会)をのべる、と書く。章題には富士山・矢田の滝・奥野操などがならぶ。 |
| 真善美愛 | 第49〜60巻 | 276 | 第49巻の総説は、初稚姫の旅を中心にすえる。舞台は、波斯の国境の産土山から、印度のハルナの都のあたり。 |
| 山河草木 | 第61〜72巻(第64巻は上・下)と特別編「入蒙記」 | 303 | 第61巻の序文は「六十一の還暦祝ひ」(大正12年5月10日)。第69巻の巻頭言は、当時の宗教法案への批判から始まる。 |
| 天祥地瑞 | 第73〜81巻 | 216 | 第73巻の総説は、宇宙を創造した大神の話から始める。第76巻には、日本・支那・波斯・希臘の天地開闢説をならべた附がある。 |
第1巻には5つの篇があります。章の題だけでも、物語の入り口が見えてきます。
| 第1篇 幽界の探険 | 第1章 霊山修業 第2章 業の意義 第6章 八衢の光景 第7章 幽庁の審判 ほか |
|---|---|
| 第2篇 幽界より神界へ | 第12章 顕幽一致 第14〜17章 神界旅行 ほか |
| 第3篇 天地の剖判 | 第20章 日地月の発生 第21章 大地の修理固成 ほか |
| 第4篇 竜宮占領戦 | 第25章 武蔵彦一派の悪計 第31章 九山八海 第32章 三個の宝珠 ほか |
| 第5篇 御玉の争奪 | 第37章 顕国の御玉 第46章 一島の一松 第50章 死海の出現 ほか |
批判があることも、本人は書いています。第13巻の「モノログ」では、「天地の剖判」や「人間の元祖論」のような部分を削れば読める小説になる、と言う人がいることにふれています。そのうえで、口述者としても分からない点はあるが、人の考えをくわえず、神の言葉のままを写すのだから、そこを考えてほしい、と答えています(rm130001)。
おなじ文章で、全巻を読み終えてからでないと、どんな批判もできないようになっている、とも述べています。
この「読み終えてから」という考え方も、読む人によって、受けとり方が分かれるところです。
物語の序文には、口述していた当時の世の中についての文章もあります。いくつか紹介します。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
このページで、どこまで確かめたかを隠さずに示します。
| 内容 | 確かめた先 | 状況 |
|---|---|---|
| 口述のはじまり(大正10年10月18日・松雲閣・筆録者の名) | 第73巻 序文(rm730001) | 原文で確認 |
| 120巻の予定/再開(昭和8年10月4日) | rm730001・rm019901・rm370001 | 原文で確認 |
| 第1巻 序・附記の引用 | rm010001・rm019901 | 原文で確認 |
| 7部の巻の範囲・章の数 | 霊界物語ネットの目次(章題は底本どおり) | 目次で確認 |
| 第1巻の初版発行日(大正10年12月30日) | 霊界物語ネットの書誌欄 | 確認 |
| 「83冊」の内訳(81巻+第64巻の上下+特別編「入蒙記」と考えられる) | 目次の構成からの推定 | 未確認 |
| 刊行の年と版の関係・昭和10年の発禁 | 二次資料の要約のみ | 未確認(書かない) |
| 第73巻 序文の「第72巻の終わり=大正15年5月22日」は旧暦。第72巻の最終章の口述日は1926年(大正15年)7月1日(旧5月22日)で、第72巻の序の日付と一致する | rm730001・rm7222・rm720001 | 原文と書誌で確認 |