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十四

東 海 道 ・ 桑 名 宿

七里の渡しを終えた船が着くのは、伊勢国の玄関・桑名くわな。名物の焼き蛤は、しゃれ言葉になって今も日本語の中で生きています。

いまのことば

桑名くわなは海路の終点で、伊勢参りへの分かれ道の宿場。
名物の焼き蛤から「その手は桑名くわなの焼き蛤」のしゃれが生まれた。

名物としゃれの経済

船を降りた旅人を迎えるのは、桑名くわな名物の焼き蛤(やきはまぐり)。木曽三川が運ぶ栄養で育つ桑名くわなの蛤は、大ぶりで味が濃いと評判でした。浜の茶屋から立ちのぼる香ばしい煙は、最高の看板です。

そして江戸っ子はしゃれを作りました。「その手は桑名くわなの焼き蛤」——「その手は食わない」に地名をかけた言葉遊びです。宿場の名物が、ことわざのように全国区の日本語になる。名物は食べ物であると同時に、町の広告でした。

桑名くわなからは伊勢神宮への道が分かれます。多くの旅人の本当の目的地は、お伊勢参り。東海道の旅は、ここからもう一つの旅につながっていきました。

考えてみよう

答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。

豆知識——蛤は昔から縁起物で、対の貝殻しかぴったり合わないことから夫婦円満の象徴とされ、ひな祭りの吸い物にも使われます。桑名くわなの蛤は一時激減しましたが、漁の管理と稚貝の放流で復活へ向かっています。
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