十二
東 海 道 ・ 三 島 宿
箱根の険しい下り坂を終えた旅人を迎えるのは、富士の雪解け水が湧く町。三島は、疲れた足を癒す「水の宿場」でした。
いまのことば
三島は箱根峠の西のふもとの宿場。
富士山の伏流水が町中に湧き、三嶋大社の門前町として栄えた。
水がもてなす町
箱根越え(地理の間・第三章)を東から越えてきた旅人にとって、三島は命拾いの町でした。急な石畳の下りで足はがくがく。そこに、富士山に降った雨や雪が地中を何年もかけて旅してきた伏流水が、町のあちこちで湧いています。
冷たく澄んだ水で足を洗い、喉をうるおし、三嶋大社にお参りして旅の安全を感謝する——峠と神社と湧き水が、三島の宿場をかたち作りました。
火山としての富士山は、水をたくわえる巨大な装置でもあります。溶岩の隙間にしみ込んだ水が、ふもとで湧く。三島の水は、富士山の見えない半身です。
考えてみよう
- 問一富士山に降った水が三島で湧くまで、どんな道のりをたどるのか調べてみましょう。
- 問二峠の「あと」の宿場と「まえ」の宿場(小田原)で、役割はどう違うでしょう。
- 問三あなたの町の湧き水・名水を探してみましょう。どこから来た水でしょうか。
答えはひとつではありません。声に出して、外に出て、確かめながらどうぞ。
豆知識——三島の湧水群は今も健在で、市内の川では夏に子どもが水遊びをします。富士山の雪解け水が届くまで数年〜数十年かかるといわれます——今日の湧き水は、あなたが生まれたころの雨かもしれません。