十
東 海 道 ・ 小 田 原 宿
明日はいよいよ箱根越え。旅人は小田原の宿で早めに休み、わらじの紐を確かめ、名物で腹ごしらえをしました。
いまのことば
小田原は東海道で数少ない城下町の宿場。
箱根越えを翌日に控えた旅人たちの、準備と休息の町だった。
前泊の町の経済
小田原は北条氏の城下町として栄えた歴史を持ち、東海道の宿場の中でもひときわ大きな町でした。江戸から約80キロ——健脚なら2日ちょっと。そして目の前には天下の険・箱根がそびえます。
難所の手前の宿は、にぎわう。翌日に備えて早く着き、ゆっくり休み、装備を整える旅人でいっぱいだからです。わらじ、薬、弁当——箱根越えの準備が、そのまま小田原の商売になりました。ういろう(薬と菓子)やかまぼこなど、いまに続く名物もこの土地の歴史から生まれています。
山の麓の町、峠の前の駅。地形が生む「たまり場」は、現代の高速道路のサービスエリアにも通じます。
考えてみよう
- 問一「難所の手前」だから栄えた町を、地図でほかにも探せますか。
- 問二長い挑戦の「前日」に整えるべきことは何でしょう(遠足・試験・試合の前夜と比べて)。
- 問三小田原城と宿場の位置関係を地図で見てみましょう。城下町と街道はどうつながっていますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——小田原提灯は、畳んで懐に入る旅人向けの折りたたみ式。箱根の夜道を歩く旅人の必需品として生まれた、いわば江戸のモバイルライトです。