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東海道・由比宿

崖が海に迫る難所・薩埵峠さったとうげ。命がけで越えるその道から振り返ると、駿河するが湾ごしの富士山——東海道でいちばんの絶景が待っていました。

お子さんと保護者の方へ。東海道・由比宿を、いっしょに確かめましょう。

いまのことば

東海道の由比宿とは?

由比ゆいの薩埵峠さったとうげは、海に崖が迫る難所。
そこからの富士は、広重も描いた東海道随一の絶景だった。

難所と絶景

由比ゆい宿と興津宿の間にある薩埵峠(さったとうげ)は、崖下の波打ちぎわを通るか、峠道を越えるかしかない難所でした。広重はここから、駿河するが湾の波と、その向こうの富士を描いています。

面白いのは、いまこの場所に東名高速・国道1号・JR東海道本線が一点に集まっていること。崖と海の間のわずかな平地を、江戸の旅人も、現代の大動脈も、同じように通るしかないのです。地形は交通を支配し続けています。

峠の展望台からは、いまも広重とほぼ同じ構図の富士が見えます。浮世絵と同じ景色に立てる、数少ない場所のひとつです。

考えてみよう

  • 問一地図で薩埵峠さったとうげを見て、鉄道と高速道路がどう通っているか確かめましょう。
  • 問二「地形が道を決める」例を、あなたの町でも探せますか。
  • 問三危ない道の先に絶景がある——箱根の章とも共通します。偶然でしょうか。

答えはひとつではありません。地図を広げながら考えると、また違って見えてきます。

豆知識——由比ゆいは桜えびの日本一の産地としても有名です。春と秋の漁期には、駿河するが湾の桜えびが食卓に上ります。宿場町の本陣跡は公園と美術館になっています。
原文について
この記事が扱っている『東海道五十三次』は、江戸時代の五街道のひとつ。宿場や道中の様子は、当時の道中記や名所図会に記録されています。
原本(江戸期などの版本)は、国立公文書館 デジタルアーカイブ『東海道名所図会』で画像を見られます。
このページの現代語訳・解説・設問は、株式会社士心が作成したものです。特定の校訂本にもとづくものではありません。 表記や区切り方は、読みやすさのために整えています。原文にあたるときは、上の所蔵先でお確かめください。

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