第十題
読 み 書 き そ ろ ば ん
寺子屋の学びは「読み書きそろばん」。その三本柱の最後のひとつは、玉の位置で数を表す、指で動かす計算機でした。
いまのことば
そろばんは、五を表す玉と一を表す玉で数を書き表す道具。
五のまとまりと十のまとまり、二つの仕組みを同時に使っている。
玉のからくり
いまのそろばんは、桁ごとに上に一玉(=五)、下に四玉(=一が四つ)。7なら「五の玉ひとつ+一の玉ふたつ」。片手の指で5まで数えて、もう一方の手で5のまとまりを覚えるのと同じ、五進法と十進法の合わせ技です。
江戸のそろばんは上二玉・下五玉で、明治〜昭和に今の形に整理されました。塵劫記は、このそろばんの使い方の本として始まったのです。
そろばん上級者は、頭の中にそろばんを思い浮かべて計算します(珠算式暗算)。道具が体に入って、道具なしで動くようになる——学びの最終形を、そろばんは見せてくれます。
考えてみよう
- 問一そろばん(なければ絵でも)で自分の年齢を置いてみましょう。五の玉は使いましたか。
- 問二五のまとまりで数える例は、ほかにもありますか(正の字、コインの5円……)。
- 問三電卓がある時代に、そろばんを習う意味は何だと思いますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——そろばんの珠をはじく速さは、熟練者では電卓の打鍵を超えることがあります。フラッシュ暗算の全国大会では、画面に一瞬映る数字を次々に足し合わせる神業が競われています。