第六題
塵 劫 記 ・ 第六題 盗人算
橋の下で、盗人たちが盗んだ絹を分けています。「7反ずつ分ければ8反余る。8反ずつ分ければ7反足りない」——盗人は何人で、絹は何反あったでしょう。
といてみよう
答えを見る前に、紙とえんぴつで少し考えてみてください。
ヒント
7反ずつから8反ずつに増やすと、必要な絹は「人数ぶん」増えます。余り8反と不足7反の差は……。
たねあかし
- 7反ずつ配ると8反余り、8反ずつ配ると7反足りない。
- ひとり1反ずつ多く配るのに必要な絹は、8+7=15反ぶん。
- ひとり1反ずつだから、人数は15人。
- 絹は 7×15+8=113反。たしかめ:8×15−7=113 ✓
答え 盗人15人、絹113反
暮らしとつながる
「配り方を変えたときの、余りと不足の差」から人数を逆算する——中学入試でおなじみの「過不足算」の原型です。
それにしても、教科書の問題の主役が盗人とは。江戸の数学書は、まじめ一辺倒ではありませんでした。橋の下の悪だくみを盗み聞きして人数を当てる、という筋立てで、子どもたちは笑いながら過不足算を覚えたのです。
考えてみよう
- 問一「1個ずつ配ると3個余り、2個ずつだと5個足りない」——この問題を自分で解いてみましょう。
- 問二お菓子や プリントの配りもので、過不足算が使える場面はありますか。
- 問三勉強の問題に「笑い」があると、覚えやすくなるのはなぜでしょう。
答えのない問いもまざっています。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——盗人算・ねずみ算・からす算——塵劫記の問題には、生きものや人物が主役の「物語」がついています。数式だけの問題集より記憶に残ることを、吉田光由は400年前に知っていました。