第五題
塵 劫 記 ・ 第五題 俵杉算
米俵が、いちばん下の段に13俵、その上に12俵、その上に11俵……と、杉の木の形に積んであります。いちばん上は1俵。俵は、ぜんぶで何俵あるでしょう。
といてみよう
答えを見る前に、紙とえんぴつで少し考えてみてください。
ヒント
1+2+3+…+13。端から足してもよいですが、「1と13」「2と12」のように両端から組にすると……。
たねあかし
- 1+13=14。2+12=14。3+11=14……両端から組にすると、どの組も14になります。
- 組は6組(1〜6と8〜13)できて、まん中に7がひとつ残ります。
- 14×6+7=84+7=91。
- 公式にすると、13×14÷2=91。
答え 91俵
暮らしとつながる
「両端から組にする」——この工夫は、数学者ガウスが子どものころに1から100までの和を一瞬で出した話として有名ですが、江戸の米蔵では、番頭さんたちがあたりまえに使っていた実務の技でした。
積んである俵を1俵ずつ数えるのは大変で、数えまちがいも出ます。段の数さえ見れば総数が出る——現場の必要が生んだ、美しい計算です。
考えてみよう
- 問一1から100までの和を、同じ工夫で出してみましょう。
- 問二身のまわりで「三角に積んであるもの」を探して、総数を式で出せますか。
- 問三「1個ずつ数える」と「式で出す」。それぞれの良さは何でしょう。
答えのない問いもまざっています。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——杉の木の形に積むから「俵杉算」。ピラミッド状の和(三角数)は、いまも高校数学の「数列」で習います。江戸の子どもは、そろばん塾でこれを俵の絵で学んでいました。