第二題
塵 劫 記 ・ 第二題 からす算
99の浦に、99羽ずつのからすがいて、それぞれが99声ずつ鳴きました。鳴き声は、ぜんぶでいくつでしょう。
といてみよう
答えを見る前に、紙とえんぴつで少し考えてみてください。
ヒント
99×99×99。そのまま計算してもよいですが、99を「100−1」と考えると、ぐっと楽になります。
たねあかし
- 99×99を先に。99×99=99×100−99=9900−99=9,801。
- 9,801×99=9,801×100−9,801=980,100−9,801。
- ひき算をして——
答え 97万299声
暮らしとつながる
この問題の値打ちは、答えより「99を100−1と見る」というものの見方の切り替えにあります。
998円の買いものを「1000円−2円」と考える。55分を「1時間−5分」と考える。数を扱いやすい形に言いかえる力は、暗算の速い人が例外なく持っている技で、江戸の人はからすの声でそれを鍛えていました。
考えてみよう
- 問一「100−1」方式で、98×98を暗算してみましょう。
- 問二買いもので「切りのいい数」に言いかえて計算した経験はありますか。
- 問三99の浦・99羽・99声。なぜ全部99にしたのだと思いますか。
答えのない問いもまざっています。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——からす算のような「声の数を数える」問題は、実用にはあまり役立ちません。でも塵劫記には、こういう「役に立たないけれど面白い」問題がたくさん入っています。数学は道具であると同時に遊びだと、この本は知っていました。