英検の面接は、相手がいなくても8割方は一人で仕上げられます。協会が当日の流れを13の手順で公開しており、入室から退出までをアニメーションで見られるページもあるからです。一人でできることと、一人だと崩れやすいことは、はっきり分かれます。ここでは公表資料をもとに、その線引きと、一人で回す練習の順番を整理します。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「3級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
まず、流れを固定する
一人で練習するとき、最初にやるべきことは英語の練習ではありません。当日の順番を、迷わない状態にすることです。
協会は各級のページに「二次試験の受け方」として、入室から退室までの手順を番号付きで公開しています。3級・準2級であれば、入室、面接カードを渡す、着席、氏名と級の確認と挨拶、問題カードを受け取る、黙読20秒、音読、No.1、No.2とNo.3、カードを裏返す、No.4とNo.5、問題カードを返す、退室——という13の手順です。
この順番を覚えておくと、当日「次に何が来るか」を考えずに済みます。考える力を、英語のほうに全部回せるということです。一人でできて、効果が大きい準備の筆頭がこれです。
細かいところも書かれています。音読は英語のタイトルから読むこと。カードを裏返す指示のあとは見ずに答えること。終わったら問題カードを面接委員に返してから退室すること。退室後は控室に戻らず、待機中の受験者と話さずに退場すること。
協会は、面接の様子を映像で公開している
一人で練習する人にとって、いちばん役に立つ公表資料がこれです。協会は「英検バーチャル二次試験」として、面接室に入室してから退出するまでの流れをアニメーションで解説するページを級ごとに用意しています。
初めて受ける人が不安なのは、英語そのものより「部屋に入ってから何が起きるか分からない」ことです。映像で一度見ておくだけで、この不安はかなり減ります。
当社では、練習を始める前に一度、そして本番の数日前にもう一度見ることをおすすめしています。1回目は流れを知るため、2回目は自分の練習と照らし合わせるためです。
出典:同「英検バーチャル二次試験 3級」/同「英検バーチャル二次試験 準2級」(いずれも2026年9月9日確認)
音読は、一人で完成する
音読は、相手がいなくても仕上がります。読む文章が手元にあれば、あとは声に出して繰り返すだけだからです。
級ごとの分量は公表されています。3級は30語程度、準2級は50語程度、準2級プラスは55語程度、2級は60語程度。準1級に音読はありません。30語から60語というのは、日本語に直せば2〜4文ぶんです。短いものを何度も読むほうが、長いものを1回読むより身につきます。
一人でやるときの手順は3つです。まず黙読20秒で、意味の切れ目に印を付ける。次にゆっくり音読して、詰まった語を書き出す。最後に、詰まった語だけを取り出して10回言う。
ここで大事なのは、速く読む練習をしないことです。評価の観点にあるのは発音であって、速さではありません。速く読もうとすると、語の終わりが消えて、かえって示せるものが減ります。
もうひとつ、一人だと省きたくなるのが黙読の20秒です。ここを飛ばして読み始める練習をしていると、本番でも同じことをします。20秒は与えられた時間であって、短縮しても得はありません。毎回きちんと20秒取って、その間に何を確かめるかを決めておきます。
当社では、20秒でやることを3つに固定しています。タイトルを確認する、知らない語に印を付ける、意味の切れ目を2か所だけ決める。それ以上を20秒でやろうとすると、どれも中途半端になります。
イラストの説明も、一人で仕上がる
イラストについての問いも、相手を必要としません。何が問われるかが公表されているからです。
| 級 | イラストで問われること |
|---|---|
| 3級 | イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する(2問) |
| 準2級 | 人物の行動を1問、人物の状況を1問 |
| 準2級プラス・2級 | 3コマのイラストの展開を説明する(考慮時間20秒・言い出し部分はカードに印刷) |
| 準1級 | 4コマのイラストの展開を2分間でナレーションする(考慮時間1分・言い出し部分はカードに印刷) |
一人での練習は、絵があれば成立します。教科書の挿絵でも、写真でも、家の中の光景でもかまいません。「人が何をしているか」を1文、「何がどうなっているか」を1文——この2種類を言い分ける練習を繰り返します。
3コマ・4コマの級では、コマとコマのつなぎ方が課題になります。時間の流れを表す語をいくつか決めておいて、それだけを使って回す。言い出し部分がカードに印刷されていることは公表されているので、書き出しで悩む必要はありません。
意見の問いは、一人だと崩れやすい
ここが、一人での練習の限界です。
準2級以上には、カードのトピックに関連した内容や、日常生活の一般的な事柄について自分の意見を述べる問いがあります。準1級では、カードのトピックにやや関連した社会性のある内容まで問われます。
一人で練習すると、この種類の問いだけ「言えたつもり」になりやすいのです。頭の中では文ができているのに、声に出すと主語と動詞が合わない。理由を言い始めて、途中で別の話になる。相手がいないと、この崩れに気づけません。
対処は2つあります。ひとつは、必ず声に出して録音し、あとで自分で聞くこと。頭の中の英語と、口から出た英語は違います。録音は、一人での練習でいちばん効く道具です。
もうひとつは、答えを紙に書いてから話さないことです。書いてから話すと、書いた文を思い出す作業になってしまい、本番で使えません。先に声、あとで確認の順番にします。
なお、本番の面接中はメモ・写真撮影・録音のいずれも禁止されていると公表されています。録音は練習のときだけの道具です。
一人だと気づけないもの
公表されている観点のうち、一人での練習で確かめにくいものがあります。
聞き返しです。協会は「自然な流れの中で行われた『聞き返し』なら、減点の対象にはなりません」と書き、続けて「不自然に行われたり、くり返し聞き返したりした場合は、減点の対象になります」と書いています。この「自然かどうか」は、相手がいないと試せません。
ただし、備えることはできます。聞き返しの一言を1つだけ決めて、口に馴染ませておくことです。当日その場で作ろうとすると不自然になります。決めた一言が反射で出るなら、自然な流れの中に収まります。
もうひとつは、答えている途中で口ごもったときの立て直しです。応答が滞ると次の質問に進むことがあると公表されている以上、ここは実際に詰まってみないと練習になりません。一人でやるなら、わざと難しい題材を選んで、詰まったところから言い直す練習を混ぜます。
一人で回すときの、1日の分量
ここからは当社の指導での目安です。協会が示したものではありません。
1日20分を4つに割ります。音読5分、イラスト説明5分、自分のことや意見の問い5分、そして録音を聞き返すのに5分。録音を聞く時間を最初から確保しておくのが要点です。ここを削ると、練習が独りよがりになります。
聞き返すときに見るのは1点だけ、止まらずに言い切れたかです。発音や文法の細かい直しは、そのあとです。止まる回数が減っていけば、前に進んでいます。
期間としては、二次試験までの日数から逆算します。一次試験の結果と二次受験票は二次試験の1週間前までに到着すると公表されていますので、受けると決めた時点から始めておくのが現実的です。
2026年度第2回の二次試験は11月8日と11月15日、第3回は2月28日と3月7日と公表されています。日付が先に決まっている以上、逆算はその日から行えます。一次試験の合否を待ってから始めると、使える日数が1週間ほどしか残りません。
出典:同「試験日程」(2026年9月9日確認)
出典:同「個人でのお申し込みについて」(2026年9月9日確認)
士心塾の方法
勉強してから受けるのではなく、先に受験日を決めます。日付が決まると、子どもは自分から机に向かいます。次の受験が半年後だと熱は続かないので、間隔を空けません。受かったら、すぐ次を決める。落ちても、すぐ次を決める。1対1で週240分(120分×2回、または240分×1回)、曜日と時間を固定して、次の受験日から逆算して進めます。
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