一
江 戸 の 科 学 ・ 一
ハンドルを回すと、パチッと火花が飛ぶ。江戸の人々を仰天させた「エレキテル」は、摩擦で静電気を起こす装置でした。
いまのことば
平賀源内は、壊れたオランダ渡りの静電気装置を修理・復元し、
江戸の人々に「電気」を初めて見せた。
火花のしくみ
エレキテルの中では、ハンドルを回すとガラスが布とこすれ、摩擦で静電気がたまります。たまった電気が一気に飛ぶのが、あの火花。下じきで髪の毛が逆立つのと、同じ現象です。
平賀源内(ひらが・げんない)は、長崎で手に入れた壊れたエレキテルを、中の仕組みを調べながら数年がかりで復元しました(1776年ごろ)。設計図もない、教えてくれる人もいない。分解して、観察して、試す——理科の実験の基本を、源内は独学でやりぬきました。
源内は本草学者で、作家で、発明家。ひとつの肩書きに収まらない「マルチな人」の元祖です。
考えてみよう
- 問一身のまわりで静電気が起きる場面を3つ挙げて、共通点を探しましょう。
- 問二説明書のない壊れた機械を直すには、何から始めればよいでしょう。
- 問三源内のように「肩書きがたくさんある生き方」を、どう思いますか。
答えはひとつではありません。おうちの人と話しながら考えるのも、よい学び方です。
豆知識——「土用の丑の日にうなぎ」は源内が広めたという有名な逸話があります(確かな記録はなく伝承ですが)。キャッチコピーの元祖としても語り継がれる人です。