二次試験で不合格だったとき、失われるものは一次試験の合格ではありません。1級から3級では、二次試験が不合格でも一次試験免除の資格が残り、次の回は二次試験だけを受け直せます。ここでは、一次で落ちた場合とは違う「二次で落ちた場合の判断」——届く成績表の読み方、練習の変え方、次の回までの日数——を整理します。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「一次試験免除について」(2026年9月9日確認)
まず、一次試験の合格は残る
二次試験が不合格だったとき、最初に確認すべきはここです。協会は一次試験免除の制度をこう公表しています。「1級~3級の一次試験に合格し、二次試験を棄権(欠席)するか不合格となった方は、次回以降の申込時に一次試験免除申請をすれば、二次試験から受けることができます。」
つまり、二次で落ちても、次の回にもう一度リーディング・リスニング・ライティングを受け直す必要はありません。スピーキングだけをやり直せばよいということです。
これは、一次で落ちた場合とは事情がまったく違います。一次で落ちた人は、次の回にすべてを受け直します。二次で落ちた人は、次の回の準備を丸ごと面接に使えます。ここが最大の違いです。
いつからいつまで使えるか
免除資格の期間も公表されています。「二次試験のウェブ合否公開時刻時点から一次試験免除資格を使用して申込可能(二次試験を棄権(欠席)された場合も同様)となり、翌年度の同回まで申請可能です。」
ウェブで合否が公開された時点から、資格が使えるようになります。合格証書が届くのを待つ必要はありません。不合格を知ったその日から、次の申し込みができるということです。
期限は翌年度の同じ回まで。協会は「2023年度第3回検定の一次試験合格者は2024年度第3回検定まで一次試験免除申請の資格あり」という例を示しています。1年ぶんの猶予があります。
2026年度の日程は公表されています。第2回の二次試験は11月8日と11月15日、第3回は申込が10月30日から12月14日、一次が1月15日から1月24日、二次が2月28日と3月7日です。第2回の二次で不合格だった場合、次に受けられるのは第3回の二次試験——2月28日か3月7日ということになります。
出典:同「試験日程」(2026年9月9日確認)
検定料は、通常と同じ
誤解されやすいところです。二次試験だけを受ける場合でも、検定料は割引されません。
協会は申請方法の説明の中で、はっきり書いています。「通常と同じ検定料のお支払いが必要です。」これは本会場で受ける場合も準会場で受ける場合も同じです。
また、申込完了後のキャンセルや検定料の返金、次回以降への繰越は受け付けていないとも公表されています。受けるかどうかは、申し込む前に決める必要があります。
申請の方法も、受け方によって分かれています。一次試験を本会場で受けた方(個人申込、団体一次試験本会場申込)は、申込受付の際に「一次試験免除申請欄」に一次試験に合格した時の検定回と個人番号を記入します。一次試験を準会場で受けた方は、一次試験の解答用紙のA面「志願票」の一次試験免除申請欄に個人番号を記入します。
協会は、申込方法・受験地・試験会場を問わず、有効期間内であれば本会場申込・準会場申込のどちらからでも申請できるとも公表しています。前回と違う申し込み方に変えても、免除は使えます。
二次試験 個人成績表を、観点に分けて読む
二次試験の結果は、二次試験後約3週間以内に到着すると公表されています。1級から3級の合格者には「二次試験 個人成績表」と合格証書が、不合格者には「二次試験 個人成績表」のみが届きます。
成績表を見るときは、合否ではなくスコアを見ます。合格基準スコアは公表されており、変動しません。3級は550点満点で353点、準2級は600点満点で406点、準2級プラスは625点満点で427点、2級は650点満点で460点、準1級は750点満点で512点です。
自分のスコアと基準の差を見れば、次にどれだけ必要かが分かります。10点足りなかったのか、100点足りなかったのかで、次の回の準備の量はまったく変わります。
ただし、注意も必要です。観点ごとの配点は公表されていません。ですから「発音で何点落とした」という分解はできません。この記事では、推測で内訳を書くことはいたしません。
出典:同「英検CSEスコアについて」/同「個人でのお申し込みについて」(いずれも2026年9月9日確認)
次は「同じ準備」を繰り返さない
ここからは当社の考えです。二次で落ちた人がいちばんやりがちなのは、前回と同じ練習をもう一度することです。
公表されている評価の観点は、応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度など。この7つのうち、前回どれを示せなかったかを本人が思い出せるかどうかが分かれ目になります。
面接直後であれば、たいてい覚えています。どこで黙ったか。どの問いで一言しか言えなかったか。聞き返しを何回したか。この3つは、成績表を待たずにその日のうちに書き留めておく価値があります。
そして次の準備は、思い出した場所に集中させます。黙ったのなら、言い直しの一言を反射で出せるようにする。一言しか言えなかったのなら、答えたあとに一言足す動作を癖にする。聞き返しが多かったのなら、聞き返しの一言を1つに固定する。
「全部やり直す」は、二次で落ちた人には合いません。一次を通っている以上、読む・聞く・書くの力は基準に届いています。足りないのは、話す場面での特定の動作です。
同じ級を受け直すか、下の級に戻るか
スコアの差が大きかった場合、下の級に戻るという選択もあります。ただし、二次で落ちた場合は事情が違います。
下の級に戻ると、一次試験免除の資格は使えません。免除は、その級の一次試験に合格したことに対して与えられるものだからです。下の級を受けるなら、一次試験から受け直すことになります。
ですから、二次で落ちた場合の判断はこうなります。免除の期限内(翌年度の同回まで)に同じ級の二次をもう一度受けるほうが、時間の面でも費用の面でも有利です。下の級に戻る理由があるとすれば、スピーキング以外の力にも不安が残っている場合に限られます。
級ごとの課題の重さも判断材料になります。3級は約5分で音読30語程度と5問、準2級は約6分で50語程度と5問、準2級プラスと2級は約7分で4問、準1級は約8分で2分間のナレーションと4問。級が上がると、質問の数は減るのに時間が伸びます。1問に求められる分量が増えているということです。
出典:同「3級の試験内容・過去問」/同「2級の試験内容・過去問」(いずれも2026年9月9日確認)
次の回までの日数を、先に数える
第2回の二次試験(11月8日・11月15日)で不合格だった場合、次は第3回の二次試験(2月28日・3月7日)です。3か月以上あります。
この期間の使い方で、当社がおすすめしているのは分割です。最初の1か月は面接に触れません。一次で通った力を落とさないよう、読む・聞くを続けるだけにします。二次で落ちた直後に面接の練習を続けると、たいてい嫌になります。
次の1か月で、前回止まった場所だけを直します。最後の1か月で、流れ全体を通します。直前の1週間に詰め込む形にしないための分割です。
申し込みの期限も先に押さえます。第3回の申込は10月30日から12月14日と公表されています。第2回の二次試験(11月8日・15日)の合否が分かるより前に、申込期間が始まっています。結果を見てから申し込んでも間に合いますが、期限は12月14日です。
ひとつ、順序に注意が要ります。協会は「一次試験免除資格が発生するのは『二次試験のウェブ合否公開日時』となります」と公表し、続けて「一次試験に合格後、二次試験を欠席することが予め決まっている場合も、資格取得日時より前に一次試験免除申請をすることはできません」と書いています。
つまり、合否が公開される前に、免除を使った申し込みを済ませておくことはできません。第3回の申込期間は10月30日に始まりますが、免除を使う人にとっての実際の開始日は、二次試験の合否がウェブで公開された日ということになります。
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