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英検「受験上の配慮」の申請―できること・締切・必要な書類

2026年9月8日 / 士心塾 オンライン校

英検には「受験上の配慮」という制度があり、障がいや特性のある受験者は、別室受験・時間延長・拡大文字・点字・座席配慮などを申請できます。もっとも見落としやすいのは締切です。受験上の配慮の申請は、英検そのものの申込みより約1週間早く締め切られます。本会場(個人申込)・学校や塾を通した準会場(団体申込)・英検S-CBTでは、申請の窓口や日程が少し異なります。この記事では、日本英語検定協会(英検協会)の公式ページと「受験上の配慮要項」に書かれている内容だけを、保護者向けに整理します。

出典:受験上の配慮について|英検|公益財団法人 日本英語検定協会受験上の配慮要項 2026年度第2回(個人申込用)受験上の配慮要項 2026年度第2回(団体申込用)障がい等のある方への受験上の配慮|英検S-CBT|公益財団法人 日本英語検定協会申込について|英検|公益財団法人 日本英語検定協会

英検の「受験上の配慮」とは、どういう制度か

公益財団法人日本英語検定協会は、公式サイトで「実用英語技能検定(英検)では障がい等のある方に受験上の配慮を講じています」と明記しています。対象は「障がい等のある方」で、視覚・聴覚・肢体不自由・病弱(養護)・発達障がい・その他、と幅広い区分が用意されています。配慮を受けるには、あらかじめ専用の「受験上の配慮申請フォーム」から申請し、協会の審査を経る必要があります。何も申請しなければ、通常の受験者と同じ条件での受験になります。

この制度は英検(本会場・準会場)と英検S-CBTのどちらにもありますが、申請フォームや締切は別々に用意されています。あとの見出しで、それぞれの違いを整理します。

用意されている配慮の内容(要項に書かれているものだけ)

「受験上の配慮要項」には、障がいの区分ごとに、一次試験・二次試験で申請できる配慮が一覧表になっています。主なものを、区分別に紹介します(すべて要項に記載されている名称です)。

  • 視覚に障がいのある場合:点字による受験、拡大文字(A3サイズに拡大した問題冊子、18〜25ポイントのゴシック体)、拡大読書器の持参使用、ルーペや照明機器の持参使用、黙読・考慮時間の延長(級により異なる)、マークシートではなく問題冊子に直接記入する「文字による解答」など。
  • 聴覚に障がいのある場合:リスニング放送を通常の1.5〜2倍の音量にする「強音放送」、スピーカー近くに座席を配置する「座席配置」、二次試験(面接)での筆談・フラッシュカード提示・口話(ゆっくり・はっきり・大きめの声での質問)、補聴器やロジャーマイクの使用など。
  • 肢体不自由の場合:マークシートの代わりに問題冊子に直接印をつける「チェック解答」(時間延長ができる場合とできない場合がある)、上肢の障がいで自書が難しい場合のタブレット解答(1級〜3級、事前の同意書と審査が必要)、4級・5級のみの口述解答(本人が答えを口頭で伝え、試験監督者がマークシートに転記する)、介助者の同伴(試験中を除く)や机の持参使用など。
  • 病弱・その他の区分(要項では「養護」):誘導や試験教室の配慮、座席配置、別室受験の準備など、受験者の状況に応じた配慮。
  • 発達障がいの区分:次の見出しで詳しく説明します。

二次試験(面接)に共通する配慮として「優先受験」があります。あらかじめ受験者情報を印字した面接カードを用意し、直接面接室に案内して優先的に面接を行う、というものです。

発達障がい・学習面の特性がある場合に申請できること

要項の「受験上の配慮対応一覧」には、視覚・聴覚・肢体不自由と並んで「発達障がい」という区分が独立して設けられています。そこに書かれている配慮は、次の3つです。

  • 一般と同一、または別室受験:受験者の状況により、試験教室の配慮・座席配置・別室の準備などを行う。
  • チェック解答(時間延長なし):読み書きに困難がある場合、マークシートではなく問題冊子に直接印をつけたり記入したりして提出する。3級以上のライティングは自書する。問題冊子は拡大版(A3)と通常版(A4)の2種類から選べる。
  • 優先受験:二次試験(面接)で、直接面接室に案内し優先的に面接を受けられる。

要項には、これら発達障がいの区分の配慮には「★」マークがついており、「配慮が必要な理由が書かれている診断書または状況報告書などを申請フォームに添付することが必要」と明記されています。障害者手帳を持っている場合は、手帳の添付も必須です。配慮の適用可否は、協会の審査のうえで判断されます。この記事や士心塾が、どの配慮が認められるかを判断することはできません。個々の状況に配慮が当てはまるかどうかは、要項の一覧表を保護者ご自身で確認するか、英検協会(受験上の配慮係)に直接お問い合わせください。

必要な書類―障害者手帳・診断書・状況報告書

必要な書類は、希望する配慮の内容によって変わります。要項では、大きく次のように整理されています。

状況必要になる書類
視覚・聴覚・肢体不自由(下肢の障がいのみを除く)の配慮を希望し、対象の配慮に★がついている場合障害者手帳(持っている場合)。持っていない場合は、要項の「必要項目」をすべて記載した診断書または状況報告書
「養護」「発達障がい」など★がついた配慮を希望する場合診断書または状況報告書(障害者手帳を持っている場合は手帳も添付)
車いす使用など、下肢の障がいのみで申請する場合書類は不要(要項に明記)

診断書・状況報告書には決まった書式はありませんが、要項が指定する必要項目(受験者氏名、希望する配慮内容、症状や配慮が必要な理由、みなし障害等級〈該当する場合〉、病院名・医師名・医師印または自筆署名、発行年月日など)がすべて記載されていることが条件です。とくに次の2点は、保護者が誤解しやすいところです。

  • 診断書の有効期間:「受験上の配慮申請受付開始日から遡って1年以内に発行された診断書」が有効書類とされています。古い診断書は使えない場合があります。
  • 状況報告書の作成者:要項には「原則として、受験者が通学している教育機関で作成した状況報告書を有効とします」「保護者作成の状況報告書は受付できかねます」と明記されています。学校に作成を依頼する必要があります。

書類はPDF・JPG・PNGなど画像データ(5MB以内)で申請フォームに添付します。Excel・Wordなど編集可能なファイルでの提出は受け付けられません。

申請の締切はいつか―通常の申込みより早い

ここが、保護者にとって最も見落としやすい点です。要項には「受験上の配慮申請受付期間」は「英検申込受付期間より約一週間前倒しにしています」と明記されています。つまり、普段の英検の申込み〆切に合わせて動くと、配慮の申請には手遅れになる可能性があります。2026年度第2回(一次試験2026年10月4日)を例にすると、要項に書かれている日程は次のとおりです。

手続き(個人申込)期間・日程
受験上の配慮申請受付期間6月23日(火)〜8月28日(金)
英検の申込受付期間(配慮とは別に必要)6月30日(火)〜9月7日(月)
一次試験2026年10月4日(日)
二次試験(配慮申請者はA日程のみ)2026年11月8日(日)

学校や塾を通して申し込む団体申込の場合も、配慮申請の受付期間自体は個人申込と同じ「6月23日〜8月28日」ですが、英検自体の申込受付期間の締切が「9月4日(金)」と個人申込より少し早く設定されています。準会場(団体)は一次試験の日程を平日〈D日程〉・土曜〈E日程〉・日曜〈F日程〉から選べますが、土曜のE日程で対応できる配慮は一部に限られると要項に注記されています。どの配慮が対象になるかは要項の該当ページに一覧がありますので、申請前に確認するか、英検協会にお問い合わせください。

受付期間を過ぎてからの申請、申請内容の変更・追加は一切できないとも明記されています。回(検定日)が変わるごとに、配慮の申請もそのつど必要です。前回申請した内容は次の回に引き継がれません。

本会場・準会場・英検S-CBTで扱いはどう違うか

公式サイトを確認したところ、次のような違いがあります。

  • 本会場(個人申込が中心):一次試験の日程は年に1日(日曜)のみです。配慮を申請すると、対応可能な会場を協会が案内する場合があり、希望した受験地と異なる会場になることもあります。試験会場そのものの指定はできません。
  • 準会場(学校や塾などの団体経由):一次試験は平日・土曜・日曜の日程から選べますが、配慮によっては対応できる日程が限られます(前の見出しの土曜E日程の注記が代表例)。準会場を利用する場合、保護者がすることは「団体(学校・塾)の申込責任者に、配慮が必要であることを申し出て、団体番号など申請に必要な情報を確認すること」です。申請そのものは、本人・保護者・申込責任者のいずれからでも行えると要項に書かれています。
  • 英検S-CBT:公式サイト(英検S-CBTの受験上の配慮ページ)によると、専用の「受験上の配慮申請フォーム」から申請します。申請の締切は「各回の申込締切の1週間前まで」と案内されており、本会場・準会場と同様に通常の申込みより早く締め切られる点は共通しています。S-CBTを希望する配慮の必要書類が本会場・準会場と同じ基準かどうかは、公式ページに明記が見当たらず、確認できませんでした。申請前に英検サービスセンターへお問い合わせください。

小学生・中学生の場合、保護者がすること

要項には「本人・保護者など、どなたから受験上の配慮申請をいただいてもかまいません」と明記されています。未成年の受験者であっても、申請フォーム自体は保護者が代わりに入力・提出してよい、ということです。個人申込(本会場)と団体申込(準会場)で、保護者がすることは少し異なります。

  • 個人で本会場に申し込む場合:保護者自身が「受験上の配慮申請フォーム」に必要事項を入力し、必要な書類(障害者手帳・診断書・状況報告書のいずれか)の画像を添付して申請します。締切は前の見出しの表のとおり、英検本体の申込みより早いため、検定料の支払いや通常の申込みと並行して早めに準備する必要があります。
  • 学校や塾を通して準会場に申し込む場合:まず申込責任者(学校・塾の担当者)に、配慮が必要であることを伝え、団体番号など申請に必要な情報を確認します。診断書を医療機関に依頼する、状況報告書を通学先の学校に依頼する(保護者が作成したものは受け付けられません)といった書類の準備は、いずれの申込方法でも保護者の役割になります。
  • タブレット解答を希望する場合:回(検定日)ごとに同意書の提出が必要です。要項には「受験上の配慮係より同意書をお送りしますので、申請前に必ずご連絡ください」とあるため、通常の申請フォームへの入力だけでなく、事前の電話連絡が必要になります。

いずれの場合も、配慮の適用可否を判断するのは英検協会であり、士心塾が代わりに判断したり保証したりすることはできません。

申請から試験当日までの流れ

要項に書かれている大まかな流れは次のとおりです。

  • ①受験の申込みと、受験上の配慮の申請を、それぞれの受付期間内に行う(配慮の申請が先に締め切られる点に注意)。
  • ②申請が受け付けられると、受付完了メールが届く(内容に不備がある場合のみ、協会から連絡が入る)。
  • ③協会が配慮の対応内容を決定し、本会場受験者には一次受験票と「総合案内提示用の手紙」が、準会場受験者には受験上の配慮資材が別送で届く(試験の3〜5日前を目安)。
  • ④試験当日、本会場では総合案内で、準会場では会場担当者に、配慮申請者であることを必ず申し出る。申し出がなかった場合は、一般の受験者と同様の受験となり、配慮の対応は一切行われないと要項に明記されています。
  • ⑤一次試験に合格、または一次試験免除で二次試験に進む場合、二次受験票と「受付提示用の手紙」が別送で届く。二次試験は配慮申請者全員がA日程での受験となり、日程変更はできない。

④の「当日、必ず申し出る」は、保護者が見落としやすいポイントです。事前に配慮が決定していても、当日の申し出を忘れると対応されません。

士心塾では

士心塾オンライン校では、英検を目指す生徒一人ひとりのペースに合わせてオンラインで英語を教えています。受験上の配慮が必要かどうか、どの配慮が認められるかを判断するのは英検協会であり、当塾がその可否を決めたり、代わりに申請したりすることはありません。この記事は、保護者が英検協会の公式ページと要項を読むときに、締切や必要書類を見落とさないための下読みとしてまとめたものです。個別の状況については、必ず英検協会(受験上の配慮係 TEL:03-3266-6507)に直接ご確認ください。

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井本一志(士心塾 代表・CCN ENGLISH)

英検 準2級・2級の1対1オンライン個別を、代表自身が担当。受験日を先に決めてから学習を組み立てる方法で、小学生から高校生までの合格記録を6年分積み上げてきた。著書1冊。

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