英検の二次試験で、答えの長さに秒数の指定があるのは準1級のナレーション(2分間)だけです。ほかの問いに「何秒で答えなさい」という決まりはありません。それでも長さが問題になるのは、評価の観点に「情報量」が入っていること、そして答えている途中で口ごもると次の質問に進む場合があると公表されていることの2つが理由です。ここでは、公表されている数字から長さの目安を組み立てます。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「準1級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
長さに決まりがあるのは、準1級のナレーションだけ
まず、公表されている事実を確認します。時間が明示されている課題は、次のものだけです。
| 公表されている時間 | どの課題か |
|---|---|
| 20秒 | 3級・準2級・準2級プラス・2級のパッセージ黙読 |
| 20秒 | 準2級プラス・2級のイラスト展開説明(No.2)の考慮時間 |
| 1分間 | 準1級のナレーションの考慮時間 |
| 2分間 | 準1級のナレーション本体 |
準1級のナレーションについては、協会がはっきり書いています。「ナレーションの時間は2分間で、それ以上続く場合は、途中でも中止させられます。」
つまり、長すぎて止められる可能性があるのは、準1級のナレーションだけです。ほかの問いで「長すぎる」と言われることは、公表資料の範囲では確認できませんでした。
それでも長さが効いてくる理由
秒数の決まりが無いのに、なぜ長さの話になるのか。理由は2つあります。
ひとつは、評価の観点に「情報量」が入っていることです。3級から準1級まで、二次試験の欄には「応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度など」と書かれています。情報量が観点にある以上、内容が少なすぎれば示せるものが減ります。
もうひとつは、協会が各級のページに書いているこの一文です。「質問に対して答えている途中で、口ごもるなどして応答が滞る場合には、次の質問に進むことがあります。」
長く話そうとして途中で詰まると、この規定に触れます。「長く話す」と「止まらずに話す」は、両立させないと意味がないということです。
面接全体の時間から、1問あたりを割り出す
級ごとの面接時間と質問の数は公表されています。ここから1問あたりの時間を割り出すことができます。以下の計算は当社が行ったもので、協会が示した数字ではありません。
| 級(面接時間/質問数) | やりとり以外を除いた1問あたりの概算 |
|---|---|
| 3級(約5分/5問) | 入室・挨拶・黙読・音読を除くと、1問あたり約30秒前後 |
| 準2級(約6分/5問) | 同様に、1問あたり約35〜40秒 |
| 準2級プラス(約7分/4問) | 展開説明を含めて、1問あたり約50秒 |
| 2級(約7分/4問) | 同様に、1問あたり約50秒 |
| 準1級(約8分/4問+ナレーション2分) | ナレーションを除くと、1問あたり約50〜60秒 |
ここで注意していただきたいのは、この時間には面接委員が質問を読む時間も含まれているということです。ですから、受験者が話す時間はこれより短くなります。
そのうえで読めることは、はっきりしています。3級で1問に1分も話す必要はありません。2文から3文で足ります。逆に、2級・準1級で1文で終えると、与えられている時間に対して明らかに少なくなります。
出典:同「3級の試験内容・過去問」/同「準2級の試験内容・過去問」/同「2級の試験内容・過去問」(いずれも2026年9月9日確認)
短すぎるとき、何が起きるか
いちばん短い答えは、Yes だけ、No だけです。このとき、示せている観点を数えてみると分かります。
発音は1語ぶんだけ示せます。応答内容は、質問に対して答えているという意味では成立しています。しかし語い・文法・語法・情報量については、示せるものがほとんどありません。1語では語彙の幅も文の組み立ても現れないからです。
ですから、短すぎる答えの問題は「減点される」というより、「評価される材料を出していない」ことにあります。観点が7つあるのに、そのうち2つでしか勝負していない状態です。
対処は単純です。答えを言ったあとに、理由か具体例を1つ足す。これで2文になり、語いも文法も情報量も示せる材料が出ます。文の数を増やすことより、「言い切ったあとに一言足す」動作を癖にするほうが確実です。
長すぎるとき、何が起きるか
長く話そうとしたときに起きることは、たいてい次のどれかです。
まず、途中で言葉に詰まります。用意していない内容に踏み込むからです。そして詰まると、先ほどの規定——応答が滞ると次の質問に進むことがある——に触れる可能性が出ます。長く話そうとした結果、その問いを最後まで言えずに終わることがあり得ます。
次に、文が壊れます。長い1文を作ろうとして、主語と動詞が合わなくなる。関係代名詞を使いかけて戻れなくなる。これは文法・語法の観点で示すものを、自分から悪くしていることになります。
そして、話題がずれます。答えを言ったあと、関係のない情報を足していくと、応答内容の観点から離れていきます。
ですから、長さの上限は「自分が最後まで言い切れる範囲」で決まります。秒数ではありません。3文言い切れる人が3文話すのは適量で、3文の途中で崩れる人にとっては長すぎる、ということです。
級ごとの、実際の目安
ここからは当社の指導での目安です。協会が示した数字ではありません。
3級・準2級——自分のことを答える問い(No.4・No.5)は、2文で足ります。答えを1文、理由か具体例を1文。イラストの描写は、見えているものを1文ずつ、指示された数だけ。パッセージについての質問は、カードの中の該当箇所を1文で。
準2級プラス・2級——意見の問いは、立場を1文、理由を1文、理由の補足を1文の計3文を基本形にしています。3コマの展開説明は、コマごとに1〜2文。言い出し部分はカードに印刷されているので、そこから続けます。
準1級——ナレーションは2分間という枠があります。4コマですから、1コマあたり25〜30秒。文にすると1コマ2〜3文が目安です。質問への答えは、立場・理由・補足の3文を基本に、余裕があれば具体例をもう1文。
共通しているのは、「文の数を先に決めておく」ことです。その場で長さを判断しようとすると、判断そのものに時間を取られて詰まります。
なお、準2級プラスは音読が55語程度、イラストは3コマの展開説明で、質問はNo.1からNo.4までの4問です。2級と同じ構成で、面接時間も約7分と同じです。長さの組み立ては2級と同じ考え方で足ります。
出典:同「準2級プラスの試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
練習では、長さを計らない
もうひとつ、当社の考えです。練習でストップウォッチを使うことは、準1級のナレーション以外ではおすすめしていません。
理由は、計ると意識がそちらに向くからです。長さを気にしながら話すと、内容が薄くなるか、途中で止まるかのどちらかになります。本番で計れないものを、練習で計る意味は薄いということです。
代わりに使えるのは、文の数です。「2文で答える」「3文で答える」と決めて、決めた数を言い切れたかどうかだけを見る。言い切れなかったら、文の数ではなく中身を簡単にします。
もうひとつ、練習で長さを計らないほうがよい理由があります。本番では、面接委員が質問を読む速さも、次の問いに移るまでの間も、その場のものです。家で計った秒数は、本番の秒数と同じにはなりません。秒数を基準にすると、当日ずれたときに立て直せなくなります。
文の数を基準にすれば、この問題は起きません。相手の速さが違っても、自分が言い切る文の数は変わらないからです。
ただし準1級のナレーションだけは例外です。2分という枠が公表されており、超えると中止させられると明記されているからです。ここは実際に2分を計って、4コマを収める練習が要ります。
士心塾の方法
勉強してから受けるのではなく、先に受験日を決めます。日付が決まると、子どもは自分から机に向かいます。次の受験が半年後だと熱は続かないので、間隔を空けません。受かったら、すぐ次を決める。落ちても、すぐ次を決める。1対1で週240分(120分×2回、または240分×1回)、曜日と時間を固定して、次の受験日から逆算して進めます。
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