英検準1級の二次試験には、音読がありません。4コマのイラストを2分間で語る「ナレーション」と、質問4問。時間は約8分です。2級までとは課題の組み立てが変わります。読むところが無くなり、代わりに、自分で話を作って2分間話し続けることが求められます。以下は協会が公表している内容だけを整理し、書かれていないことは「書かれていない」と申し添えます。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「準1級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
準1級の二次試験で問われること
協会が公開している準1級の二次試験の内容は、次のとおりです。測定する技能はスピーキングひとつ、解答形式は「個人面接 面接委員1人」です。
| 課題 | 内容 |
|---|---|
| 自由会話 | 面接委員との簡単なやりとり |
| ナレーション | 4コマのイラストの展開を説明する(2分間) |
| No.1 | イラストに関連した質問に答える |
| No.2〜No.3 | カードのトピックに関連した内容についての質問に答える |
| No.4 | カードのトピックにやや関連した、社会性のある内容についての質問に答える |
試験時間は「英語での面接(約8分)」で、そのうちナレーションに2分間が充てられます。
音読はありません。3級の30語、準2級の50語、準2級プラスの55語、2級の60語と増えてきたパッセージの音読が、準1級では課題として消えます。読むのではなく、自分で話を組み立てて語ることに置き換わります。
ナレーションは4コマ、2分間
準1級のいちばんの特徴がこれです。公式の記述は「4コマのイラストの展開を説明する。(2分間)」。
2級では3コマで、持ち時間の記載はありませんでした。準1級ではコマが4つに増え、しかも2分間という時間が明記されます。2分は、黙って考えている余裕のある長さではありません。しかし、思いつくままに話して埋めるには長い時間でもあります。
4コマを2分で語るということは、単純に割れば1コマあたり30秒です。1コマを1文で終わらせると、時間が余ります。逆に、1コマ目に凝りすぎると、4コマ目にたどりつけません。配分をあらかじめ決めておくことが、この課題では準備そのものになります。
必要になるのは、話の順序をつなぐ言い方と、場面が変わったことを示す言い方です。まず何があって、次にどうなって、その結果どうなったか。そして、コマとコマの間で何が起きたのかを補って語ること。絵に描かれていることを1コマずつ律儀に描写しても、話としてはつながりません。
No.1 — イラストに関連した質問
ナレーションのあと、最初の質問はイラストに関連したものです。公式の記述は「イラストに関連した質問に答える」。
ここは、いま自分が語った話の続きにあたる部分です。語った内容と食い違うことを言うと、応答内容として整いません。ナレーションで作った話を、自分で覚えておく必要があります。
逆にいえば、ナレーションで話を作りすぎないほうが、この質問には答えやすくなります。絵から読み取れる範囲で組み立てておけば、続く質問にも一貫して答えられます。
No.2・No.3 — カードのトピックに関連した質問
続く2問は、公式の記述で「カードのトピックに関連した内容についての質問に答える」となっています。
2級でも「カードのトピックに関連した内容について、自分の意見などを述べる」という質問が1問ありました。準1級ではこれが2問になります。
ここには決まった正解がありません。評価されるのは意見の正しさではなく、応答の内容・語い・文法・語法・情報量です。立場をはっきりさせて、理由を添える。この形ができていれば内容としては成立します。
準1級の分量で気をつけたいのは、理由が一つで止まらないようにすることです。情報量が観点に入っている以上、言い切って終わるより、理由をひとつ足し、必要なら具体例をひとつ添えるほうが整います。
No.4 — 「社会性のある内容」が加わる
最後の1問は、公式の記述で「カードのトピックにやや関連した、社会性のある内容についての質問に答える」となっています。
ここが、準1級で新しく加わる性質です。2級までは「日常生活の一般的な事柄に関する自分の意見」でした。準1級では、カードの話題から少し離れた、社会の問題について問われます。
「やや関連した」と書かれている点も重要です。カードの話題そのものではなく、そこから広げた問いが来る、ということです。ですから、カードの内容を暗記していても、この1問には直接は効きません。効くのは、知らない話題でも立場を決めて理由を言える形を持っていることです。
ここでも、賛成か反対かを決めて、理由を述べる。分からないから黙る、という対応がいちばん不利になります。
評価の観点と、合格基準スコア
準1級の解答形式の欄には、評価の観点として次のように書かれています。「ナレーション、応答の内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などの観点で評価」。
2級までの並びに、先頭の「ナレーション」が加わっているのが違いです。ナレーションそのものが独立した評価の対象として書かれています。
二次試験の合格基準スコアも、協会が公表しています。準1級のスピーキングは満点750点、合格基準スコアは512点です。協会は「各級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は変動しません」としており、回によって上下するものではありません。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアについて」(2026年9月9日確認)
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアと合格基準スコアについて」(2026年9月9日確認)
2級から準1級へ、何が変わるか
2級と並べると、変わり目がはっきりします。
| 2級 | 準1級 |
|---|---|
| 音読(60語程度)がある | 音読は無い |
| イラストは3コマ・持ち時間の記載なし | イラストは4コマ・2分間 |
| 意見を述べる質問が2問 | トピック関連が2問+社会性のある内容が1問 |
| 約7分 | 約8分 |
読む課題が消えて、語る課題が重くなる。ひとことで言えばこの変化です。準備の重点も、そのぶん移ります。音読の練習に充てていた時間を、話を組み立てて2分間続ける練習に振り替えることになります。
なお、面接室に入ってから出るまでの流れは、協会が「バーチャル二次試験」として音声つきのアニメーションで公開しています。準1級のページもあります(協会の注記によれば、1級・準1級は一部の音声が再生されない箇所があるとのことです)。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「2級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)/同「英検バーチャル二次試験」(2026年9月9日確認)
2026年度の二次試験はいつか
第2回検定の二次試験は、2026年11月8日(日)と11月15日(日)です。第3回検定は、申込期間が10月30日(金)から12月14日(月)、一次試験が1月15日(金)から1月24日(日)、二次試験が2月28日(日)と3月7日(日)と公表されています。
日程は年度ごとに変わります。ここに挙げた日付は2026年9月9日時点で協会が公表しているものですので、お申し込みの前に必ず協会のページでご確認ください。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「試験日程」(2026年9月9日確認)
士心塾では
士心塾では、準1級のナレーションを「話す練習」ではなく「配分の練習」として扱っています。2分という時間が決まっている以上、何を何秒で話すかを先に決めておくほうが確実だからです。
1コマあたりおよそ30秒。その中で、場面を言い、そこで起きたことを言い、次へつなぐ。この骨組みを固定してしまえば、絵が変わっても同じ形で語れます。そのうえで、つなぎの言い方を数種類、確実に使えるようにします。
意見を述べる質問については、立場を先に言い、理由をひとつ、具体例をひとつ、という3文の形を決めています。話題が知らないものであっても、この形なら止まりません。
授業では、生徒が声に出したものを録音して残し、前の週と聞き比べられるようにしています。2分間のどこで止まるかは、本人が聞き直せば分かります。分かれば、そこだけを繰り返せば済みます。
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