「お医者さんに行く」は英語で go to the doctor。日本の教科書は、そう教えます。
ところが、イギリス・アメリカ・オーストラリアの本物のホームページ57ページ、39万字ぜんぶを機械で数えたら——1回も出てきませんでした。
0回です。代わりに使われていたのは、まったく別の言い方でした。このページは、そのことを数字で見せるページです。むずかしい言葉は使いません。数えた結果を、そのまま並べます。
出典:NHS「When to go to A&E」(2026年9月9日に取得。以下すべて同じ日です)
が出てきた回数
1まず、何を数えたのか
辞書は使っていません。いま本当に動いているホームページを、そのまま数えました。
選んだ条件は3つだけです。英語の国の、公の機関か大きな組織であること。機械で読むことを拒んでいないこと。そして、ちゃんと文章が書いてあること。表紙だけのページは外しました。
| 数えたもの | 実際の数 |
|---|---|
| ページ | 57ページ |
| 読める文字(可視テキスト) | 393,595字 |
| ホームページ(サイト) | 16サイト |
| 旗(国と分野の組み合わせ) | 13種類 |
「旗」というのは、このページだけの言い方です。その言葉が、どの国の、どんな場所で使われていたかを表す目印だと思ってください。
🇺🇸 アメリカの旗(6種類) 国の医学図書館(MedlinePlus)/国立公園(ヨセミテ・グランドキャニオン・イエローストーン)/大学(MIT)/連邦航空局(FAA)/運輸保安庁(TSA)/量販店(ウォルマート・ターゲット)
🇦🇺 オーストラリアの旗(2種類) 国の健康案内(healthdirect)/留学の案内(Study Australia)
大事なことをひとつ。ここで数えているのは「そこに実際に書いてあったか」だけです。正しい・まちがいを決めてはいません。決められるのは、その言葉がその場所に何回あったか、それだけです。
2「お医者さんに行く」——goが1回も無かった
GP(ジーピー)… general practitioner のりゃく。イギリスの近所のお医者さん。日本の「かかりつけのお医者さん」にあたります。まずここに行きます。
A&E(エーアンドイー)… accident and emergency のりゃく。日本の救急外来にあたります。急なけがや病気のときに行くところです。
111 と 999 … イギリスの電話番号。111 は「急ぎではないけれど相談したい」とき、999 は「命にかかわる」ときにかけます。日本の119番にあたるのが999です。
クイズ 39万字の中に go to the doctor は何回あったでしょう?
1️⃣ 100回ぐらい 2️⃣ 20回ぐらい 3️⃣ 3回ぐらい 4️⃣ 0回
答えを見る
答えは 4️⃣ の0回です。そして go to a doctor も go to your doctor も go to hospital も go to the hospital も、ぜんぶ0回でした。
数えた結果を、棒の長さで並べます。棒が長いほど、たくさん出てきたということです。
本物の文を見てみましょう。イギリスの国の病院のページには、こう書いてあります。
気づきましたか。動きを表す言葉が go ではありません。see(会う)と call(電話する)になっています。
日本語で「病院に行く」と言うので、英語も「行く=go」だと思ってしまいます。でも英語では、「その人に会う」「そこに電話する」と言っていました。GP というのはイギリスの近所のお医者さんのこと。111 と 999 は、日本でいう救急の電話番号です。
「使われていない」のではなく、「この57ページには無かった」。言えるのは、そこまでです。
出典:NHS「Insomnia」/healthdirect(オーストラリア政府)「Insomnia」(いずれも2026年9月9日取得)
3ところが、救急外来には go を使う
ここが、今回いちばん不思議だったところです。
同じイギリスの、同じホームページの中に、go を使っている場所がありました。
A&E は accident and emergency のこと。日本でいう救急外来です。
つまり、こういうことです。
go を使うか使わないかは、「行き先が何か」で決まっていました。
hospital には go を付けない。A&E には付ける。同じサイトの中で、はっきり分かれています。
これは、教室で習う形とちがいます。「go to + 場所」という型をひとつ覚えれば全部いける、という話ではありませんでした。場所ごとに、実際に使われている言い方がちがう。だから、場所とセットで覚えるのが近道です。
4「家に帰る」——go home も0回だった
つぎは、いちばん基本の言葉です。5級で最初に習う go home。
「go home に to はいらないよ」と習います。でも今回は、それを確かめられませんでした。go home 自体が0回だったからです。まちがいとされる go to home も0回。正しい形も、まちがいの形も、どちらもここには無かったということになります。
代わりにあったのは stay(とどまる)でした。
よく見てください。イギリスは at が付いていて、アメリカとオーストラリアは付いていません。
5教科書どおりだったのは「寝る」だけ
ぜんぶが教科書とずれていたわけではありません。ひとつだけ、きれいに一致したものがあります。
🏆 3つの国ぜんぶで見つかった言葉は、go to bed だけでした。
イギリスもアメリカもオーストラリアも、そろって同じ言い方をしています。ここは安心して使っていい形だと言えます。
ほかに見つかったものも、ぜんぶ書いておきます。go back が4回(🇬🇧🇦🇺)、go to school が2回(🇺🇸🇬🇧)、go to work が2回(🇬🇧)。
そして0回だったものも、かくさず書きます。go out、go through、go abroad、go shopping——ぜんぶ0回でした。
60回がたくさん出たことを、どう考えるか
0回が、思ったよりたくさん出ました。ここは気をつけて読む必要があります。
理由その2 英語のしゅるいがかたよっています。役所の案内文は、短く、命令の形で、まちがえようがないように書かれています。マンガや小説の英語とは、別のしゅるいです。
ですから、今回言えるのは、これだけです。
📌 このページで言えること
「国や役所が国民に向けて書く英語では、go はあまり使われず、see・call・stay が使われていた。」
これ以上でも、これ以下でもありません。
それでも役に立つと思うのは、日本人が最初に出会う英語が、まさにこのしゅるいだからです。空港の案内。駅のかんばん。病院の説明。役所の紙。ここで使われている言い方を知っておくことは、会話の言い方を知るのとは別に、そのまま役に立ちます。
7士心塾の教材では、go は64回出てくる
今度は、当社の教材のほうを数えてみます。士心塾が無料で公開している英検の単語教材は、5級から準1級まで、のべ10,160語です。
| 級(のっている語の数) | go を含む見出しの数 |
|---|---|
| 5級(760語) | 8 |
| 4級(940語) | 17 |
| 3級(1,420語) | 19 |
| 準2級(1,760語) | 5 |
| 2級(2,380語) | 11 |
| 準1級(2,900語) | 4 |
ふしぎな形になっています。級が上がると語の数は増えるのに、go は3級(19個)をてっぺんにして減っていきます。準1級では2,900語のうち4個だけ。go は、下の級で集中的に出てくる言葉だということです。
🔁 級をまたいで、何度も出てくる言葉があります
go through ~ … 3級・準2級・2級・準1級の4つにまたがります
go home / go to bed / go shopping … 5級・4級・3級の3つ
ここで、さっきの調査と重ねてみてください。おもしろいことが起きます。
教材では3級までしか出てこない go to bed が、本物のサイトでは3つの国すべてで見つかった。
教材でのあつかいの重さと、実際に使われている量は、ぴったりとは合っていません。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「3級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
8本の中ではどうか(おまけの調査)
くらべるために、本の中での数も調べました。グーグルが公開している、たくさんの本を数えたデータを使います。アメリカの本、2015年から2019年、という条件です。
もとの数字はとても小さいので、「何語に1回出てくるか」に直しました。そのほうが、感じがつかめます。
| 語句(もとの数字) | どのくらいの頻度か |
|---|---|
| go back(2.2722e-05) | 約4.4万語に1回 |
| go through(1.1742e-05) | 約8.5万語に1回 |
| go home(9.7389e-06) | 約10.3万語に1回 |
| go to bed(2.5421e-06) | 約39.3万語に1回 |
| go to home(3.2778e-09) | 約3億語に1回 |
go home と go to home の差は、約2,971倍。ただし0ではありません。野球の go to home plate(ホームベースに行く)や、go to home page(トップページに行く)という形で使われるからです。「ぜったいにダメ」ではなく「3億語に1回」。そう言うほうが正確です。
でも、まちがいではありません。見ている英語がちがうだけです。本は物語や説明の文、役所のサイトは案内の文。どちらの数字も本当で、どちらも半分しか見ていません。だからこのページでは、本のほうを「おまけ」として後ろに置いています。
出典:Google Books Ngram Viewer/MedlinePlus(アメリカ国立医学図書館)「Flu」(いずれも2026年9月9日取得)
9士心塾の方法
勉強してから受けるのではなく、先に受験日を決めます。日付が決まると、子どもは自分から机に向かいます。次の受験が半年後だと熱は続かないので、間隔を空けません。受かったら、すぐ次を決める。落ちても、すぐ次を決める。1対1で週240分(120分×2回、または240分×1回)、曜日と時間を固定して、次の受験日から逆算して進めます。
士心塾の授業で使っている単語と例文(5級〜準1級・10,160語)を、音声・録音とテストのアプリ・印刷用プリントつきで無料公開しています。英検 無料教材の全体/3級の単語一覧/準2級の単語一覧/2級の単語一覧
