英検の面接では、すべての級で「発音」が評価の観点に挙げられています。ただし、どの音をどう発音すれば何点、という基準は公表されていません。ネイティブのような発音を求める記述も見当たりませんでした。公表されているのは観点の並びまでです。ここでは、確認できたことと、できなかったことを分けたうえで、その範囲でできる準備を整理します。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「3級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
「発音」はどの級でも観点に入っている
協会の試験内容のページで、二次試験の解答形式の欄に書かれている評価の観点は、級ごとに次のとおりです。
| 級 | 公表されている評価の観点 |
|---|---|
| 3級 | 応答内容、発音、語い、文法 等 |
| 準2級・準2級プラス・2級 | 応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度 など |
| 準1級 | ナレーション、応答の内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度 など |
3級から準1級まで、すべての級に「発音」が入っています。級が上がっても、この観点が外れることはありません。
一方で、並びを見ると分かることがあります。発音は、複数ある観点のうちの一つです。応答内容、語い、文法、語法、情報量、意欲や態度と並んでいます。発音だけで合否が決まる、と読める記述はありません。
合格基準スコアは公表されている。ただし観点ごとの配点は非公表
よくお尋ねいただくのが、発音が何点にあたるのか、という点です。
協会は英検CSEスコアという指標を公表しており、スピーキングの満点は3級が550点、準2級が600点、準2級プラスが625点、2級が650点、準1級が750点とされています。しかし、そのうち何点が発音にあたるのかは、公表されている資料からは確認できませんでした。
二次試験の合格基準スコアは、協会が公表しています。級ごとに、スピーキングの満点と合格基準スコアは次のとおりです。3級は満点550点・基準353点、準2級は600点・406点、準2級プラスは625点・427点、2級は650点・460点、準1級は750点・512点、1級は850点・602点。協会は「各級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は変動しません」としています。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアについて」(2026年9月9日確認)
配点が分からない以上、「発音は何点だから捨ててよい」という判断も、「発音が大半だから最優先」という判断も、公表資料からは導けません。観点の一つとして、他と並べて準備する——言えるのはここまでです。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアと合格基準スコアについて」(2026年9月9日確認)
「ネイティブのように」という記述は見当たらない
もうひとつ確かめたのが、発音の水準についてです。ネイティブスピーカーのような発音を求める記述、あるいは特定の国の発音を基準とする記述は、確認した範囲では見当たりませんでした。
書かれているのは「発音」という語だけです。どの発音が正しいか、どの訛りが望ましいか、といった記載はありません。
ですから、お子さまが「発音が悪いから受からないのでは」と心配されている場合、その心配の根拠は公表資料の中にはない、とお伝えできます。心配が先に立って声が小さくなるほうが、応答内容や情報量の観点では不利になります。
それでも準備できることは、はっきりしている
基準が公表されていないからといって、何もできないわけではありません。ここから先は当社の考えです。
面接は、面接委員1人との個人面接です。つまり、相手に聞き取ってもらえるかどうかが実際的な目安になります。発音の巧拙より、伝わるかどうかです。
そのために効くことは、それほど多くありません。
| やること | なぜ効くか(当社の考え) |
|---|---|
| 語の切れ目で止まらない | 途切れると、聞き手が文の形をつかめなくなる |
| 文の終わりまで声を落とさない | 語尾が消えると、時制や数が聞き取れない |
| 知らない語で止まらない | 1語で止まると、その先の文が全部止まる |
どれも、特別な訓練を必要としません。音そのものを直すより、止まらないことのほうが、短い準備期間では確実です。
もうひとつ、日本語を話すときとの違いを一つだけ意識しておくと変わります。日本語は語尾まで同じ強さで話しますが、英語は文の中で強く言う語と弱く言う語が分かれます。ここを均一に読むと、単語は正しくても文として聞き取りにくくなります。意味の中心になる語を少し強く言う。これだけで、伝わり方が変わります。
ただし、これは当社の指導上の考え方であって、協会がそう評価すると書いているわけではありません。公表されているのは「発音」という観点の名称までです。
4級・5級のスピーキングテストは扱いが違う
4級と5級にもスピーキングテストがありますが、扱いが異なります。協会は「実用英語技能検定4級・5級の級認定は、従来通り、リーディングとリスニングの一次試験の合否のみで判定します」と明記しています。
つまり、スピーキングテストの結果は級の合否には関わりません。二次試験が合否に関わるのは、3級からです。
また、4級・5級は面接室での個人面接ではなく、協会が別に案内している「バーチャルスピーキングテスト」の形式で実施されます。3級以上の二次試験とは、そもそも別のものだとお考えください。
ですから、発音の評価を気にする必要が出てくるのも、3級からということになります。4級・5級の段階では、スピーキングテストの結果に一喜一憂するより、一次試験の対策に時間を使うほうが理にかなっています。
音読と発音は、同じ準備でつながっている
3級から2級までは、面接の最初に音読があります。3級が30語程度、準2級が50語程度、準2級プラスが55語程度、2級が60語程度のパッセージです。準1級に音読はありません。
この音読は、発音の観点が最も直接に現れる場面です。ただし、読む速さについての指定はありません。速く読んだから有利になるという根拠は、公表資料の中には見当たりませんでした。
むしろ、速く読もうとすると詰まりやすくなります。詰まって読み直せば、そのぶん時間がかかります。最後まで止まらずに読み切ることのほうが、結果として整います。
50語を超えると一息では読めませんので、どこで区切るかを自分で決めることになります。区切る位置は意味のまとまりの切れ目です。ここを外すと、読み手が内容を分かっていないように聞こえます。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「準2級の試験内容・過去問」/同「2級の試験内容・過去問」/同「準1級の試験内容・過去問」(いずれも2026年9月9日確認)
自分の発音を、自分で確かめる方法
発音は、人から指摘されても直りにくいものです。指摘された瞬間は分かっても、次に同じ場面が来たときには忘れているからです。
当社が有効だと考えているのは、自分の声を録音して、手本と聞き比べることです。指摘されるのではなく、自分で気づく。この順番のほうが直ります。
手順は単純です。手本の音声を聞く。同じ文を自分で言い、録音する。2つを続けて再生する。違うところは、本人にはっきり分かります。分かれば、そこだけを繰り返せば済みます。
当社が無料で公開している教材には、単語ごとに例文と音声が付いています。手本の音声に重ねて言う練習(シャドーイング)もできますので、この手順をそのまま家庭で行えます。登録は不要です。
当日の様子は、公式の動画で確かめられる
面接室に入ってから出るまでの流れは、協会が「バーチャル二次試験」として、音声つきのアニメーションで公開しています。3級から1級、準2級プラスまでのページが用意されており、4級・5級はバーチャルスピーキングテストとして別に案内されています。
ここで確かめておきたいのは、面接委員がどのくらいの速さで話すかです。発音の心配より、相手の英語が聞き取れるかどうかのほうが、当日の実際には効いてきます。
2026年度の二次試験は、第2回が11月8日(日)と11月15日(日)、第3回が2月28日(日)と3月7日(日)と公表されています。日程は年度ごとに変わりますので、必ず協会のページでご確認ください。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検バーチャル二次試験」/同「試験日程」(いずれも2026年9月9日確認)
士心塾の方法
勉強してから受けるのではなく、先に受験日を決めます。日付が決まると、子どもは自分から机に向かいます。次の受験が半年後だと熱は続かないので、間隔を空けません。受かったら、すぐ次を決める。落ちても、すぐ次を決める。1対1で週240分(120分×2回、または240分×1回)、曜日と時間を固定して、次の受験日から逆算して進めます。
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