小学生が英検の面接を受けるのは3級からです。4級と5級にもスピーキングテストはありますが、協会は「4級・5級の級認定は、従来通り、リーディングとリスニングの一次試験の合否のみで判定します」と公表しており、面接会場に行く形ではありません。3級の面接は約5分。ここでは、小学生がつまずきやすいところを、公表資料に沿って順に見ていきます。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「3級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
面接があるのは3級から
まず、どの級で面接があるかを整理します。二次試験(面接形式のスピーキングテスト)があるのは1級から3級までです。4級と5級は一次試験のみで級が判定されます。
3級の二次試験は約5分。内容は、30語程度のパッセージの音読が1問、音読したパッセージについての質問が1問、イラスト中の人物の行動や物の状況を描写する質問が2問、日常生活の身近な事柄についての質問が2問です。合わせてNo.1からNo.5までの5問になります。
題材も公表されています。3級の二次試験は「身近なことに関する話題」で、過去の出題例として携帯電話、ラジオを聴く、読書週間、冬のスポーツ、朝市、四季が挙げられています。専門知識は要りません。小学生にとって難しいのは題材ではなく、身近なことを英語で説明する部分です。
顔写真付き身分証明書——小学生でいちばん引っかかるところ
手続きの面で、小学生の家庭がいちばん確認しておくべきところがここです。
協会は、2026年度第1回検定より、1級から3級の受験者は試験当日に有効期限内の「協会が定める顔写真付き身分証明書」の原本提示が必須となると公表しています。対象として挙げられているのは、学生証、生徒手帳、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、社員証、在留カード、特別永住者証明書、障害者手帳です。
小学生の場合、この中で手元にあり得るのはマイナンバーカードかパスポート、あるいは学校が発行するものです。「うちの子は何を持っていくか」を、当日ではなく事前に決めておく必要があります。
協会は、学校が発行する学生証や生徒手帳について補足もしています。顔写真欄がない様式、または顔写真の貼付を要しない様式であっても、余白部分や裏面などに受験者本人の顔写真が貼付され、その顔写真に学校による割り印が押されているものは、本人確認として有効と案内しています。
該当しそうな場合は、協会のお知らせページで最新の扱いを必ず確かめてください。本人確認の方法は2026年度に変更されており、この記事の記載だけで判断しないことをおすすめします。
出典:同「よくあるご質問(受験者向け)」(2026年9月9日確認)
持ち物——上履きと腕時計を忘れやすい
二次試験の持ち物は公表されています。一次試験を本会場で受けた方は本人確認票(写真貼付)と二次受験票、一次試験を準会場で受けた方(一次試験免除者を含む)は二次受験票(写真貼付)。共通して、身分証明書、HBの黒鉛筆(シャープペンシル可)、消しゴム、上履き、腕時計です。
小学生の場合、忘れやすいのは上履きと腕時計です。学校では上履きが置いてあるので、持っていくものだという意識がありません。腕時計は、そもそも持っていない子が多い。
腕時計については、協会が「携帯電話での代用不可」と明記しています。時計の代わりにスマートフォンを見ることはできません。
出典:同「個人でのお申し込みについて」(2026年9月9日確認)
携帯電話の扱いは、子どもに必ず伝えておくべき一点です。
協会は会場での注意として、こう公表しています。「携帯電話などの使用は一切禁止ですので、電源を切り、受験者証ケースに入れて首からさげてください。試験会場内で携帯電話などを使用した場合には、理由にかかわらず失格になります。」
「理由にかかわらず」と書かれています。保護者に連絡するためでも、時間を見るためでも、例外はないということです。
小学生に伝えるときは、理由まで説明するより「会場に着いたら電源を切って、ケースに入れて、そのあと一度も触らない」という動作で伝えるほうが確実です。
控室から面接待機席へ——荷物は全部持って動く
会場に着いてからの流れも公表されています。総合案内で受付を行い、面接カードの受験者記入欄をHBの黒鉛筆かシャープペンシルで記入する。面接カードは面接室に入室するまで自分で持ちます。
そして、係員の指示に従って受験者控室から面接待機席へ移動します。ここで大事な一文があります。「受験者控室には戻れませんので、自分の持ち物はすべて持って移動してください。」
小学生は、荷物を置いて移動しがちです。控室に戻れないと知らないと、上着や水筒を置いたまま動いてしまいます。「呼ばれたら、全部持って立つ」——これも動作で伝えます。
移動したら、案内された面接室が自分の受験する級と一致しているかを、面接室入り口の掲示で確認します。終わったあとは、問題カードを面接委員に返してから退室し、すみやかに会場から退場します。控室に戻ったり、待機中の受験者と会話したりしてはいけないと公表されています。
面接そのもので、小学生がつまずくところ
ここからは当社の指導での話です。小学生の3級面接で止まりやすい場所は、だいたい決まっています。
ひとつ目は、音読の入り方。協会は「英語のタイトルから読んでください」と案内しています。タイトルを飛ばして本文から読み始める子が多い。黙読の20秒のあいだに、タイトルを一度目でなぞっておくと防げます。
ふたつ目は、イラストの2問目。3級は人物の行動と物の状況の両方を描写します。「人が何をしているか」と「何がどうなっているか」は、使う文の形が違います。ここを言い分ける練習をしていないと、片方しか出てきません。
みっつ目は、自分のことを聞かれる最後の2問です。ここだけカードに答えがありません。カードを裏返したあとの問いだからです。小学生の場合、日本語でも即答しにくい問い(休日に何をするか、など)が来ると、内容そのもので止まります。
「わからない」と言ってよい場面と、そうでない場面
子どもが不安に思うのは、たいていここです。分けて説明します。
聞こえなかったときは、聞き返してよい。協会は「質問が聞き取れなかった場合など、自然な流れの中で行われた『聞き返し』なら、減点の対象にはなりません」と公表しています。ただし「不自然に行われたり、くり返し聞き返したりした場合は、減点の対象になります」とも書かれています。一度だけなら大丈夫、というのが公表されている扱いです。
黙ってしまうのは、避けたい。協会は「質問に対して答えている途中で、口ごもるなどして応答が滞る場合には、次の質問に進むことがあります」と公表しています。黙り込むと、その問いが終わってしまう可能性があります。
ですから、小学生に教えるのは2つの言葉だけです。聞こえなかったときに言う一言と、言葉が出ないときに言い直すための一言。この2つを、考えずに出るまで繰り返しておく。これで、面接中の不安の大半は減ります。
当日までの1週間、家でできること
一次試験の結果と二次受験票は、二次試験の1週間前までに届くと公表されています。届いてから始めると、使える日数は7日です。
小学生の場合、1日20分を超えると集中が続きません。当社では10分を2回に分けることをおすすめしています。朝に音読を1回、夜にイラスト説明と自分のことの問いを1回ずつ。
見るものさしは2つで足ります。止まらずに言い切れたか。一言足せたか。発音や文法の細かい直しは、この2つが安定してからです。
そして前日は、新しいことを入れません。音読を1回、聞き返しの一言を10回。それで終わりにします。
合格の基準は、周りの出来で変わらない
最後に、小学生本人に伝えておくとよい公表事実があります。
協会は「各級の合格基準スコア(英検CSEスコア)は変動しません」と明記しています。3級の二次試験は550点満点で、合格基準は353点。この数字は、その回の受験者の出来によって上下しません。
つまり、まわりの子がよくできたから自分が落ちる、ということは起きません。相対評価ではないからです。控室で他の子の様子が気になっても、結果には関係しません。
小学生にとって、これは知っておく価値のあることだと考えています。比べる必要が、制度の上で無いからです。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアについて」(2026年9月9日確認)
士心塾の方法
勉強してから受けるのではなく、先に受験日を決めます。日付が決まると、子どもは自分から机に向かいます。次の受験が半年後だと熱は続かないので、間隔を空けません。受かったら、すぐ次を決める。落ちても、すぐ次を決める。1対1で週240分(120分×2回、または240分×1回)、曜日と時間を固定して、次の受験日から逆算して進めます。
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