英検の面接の音読は、級ごとに読む長さが決まっています。3級は30語程度、準2級は50語程度、準2級プラスは55語程度、2級は60語程度。準1級に音読はありません。評価の観点には「発音」が挙げられていますが、どの音をどう読めば何点、という基準は公表されていません。ここでは、公表されている数字から準備の組み立て方を考えます。書かれていないことは「書かれていない」と申し添えます。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「3級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)
級ごとに、読む長さが決まっている
協会の試験内容のページで、音読の課題は次のように示されています。
| 級 | 音読の課題 |
|---|---|
| 3級 | 30語程度のパッセージを読む |
| 準2級 | 50語程度のパッセージを読む |
| 準2級プラス | 55語程度のパッセージを読む |
| 2級 | 60語程度のパッセージを読む |
| 準1級 | 音読の課題は無い |
いずれの級も問題数は1問です。3級の30語と2級の60語では、倍の差があります。準備の組み立ても、そのぶん変わります。
30語は日本語にしておよそ2文か3文、60語はおよそ5文か6文にあたります。3級であれば一息で読み切れる長さですが、50語を超えると、どこで区切るかを自分で決めることになります。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「準2級の試験内容・過去問」/同「準2級プラスの試験内容・過去問」/同「2級の試験内容・過去問」(いずれも2026年9月9日確認)
「発音」は観点にあるが、基準は公表されていない
評価の観点には、いずれの級でも「発音」が含まれています。3級から2級までは「応答内容、発音、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などの観点で評価」、準1級はこの先頭に「ナレーション」が加わります。3級と2級で、並んでいる観点は同じです。
一方で、どの音をどう発音すれば何点、といった基準は、公表されている資料からは確認できませんでした。音読が何点分にあたるのかも同様です。
ですから、「この音さえ直せば受かる」という書き方はできません。この記事では、公表されている情報から準備できることだけを扱います。
速く読む必要はない
音読で最初に確かめておきたいのが、速さについてです。協会は読む速さについて何も指定していません。「◯秒以内に読むこと」といった記述は見当たりませんでした。
指定されているのは語数だけです。ですから、速く読んだから有利になる、という根拠は公表資料の中にはありません。
むしろ、速く読もうとすると詰まりやすくなります。詰まって読み直すと、そのぶん時間がかかります。最後まで止まらずに読み切ることのほうが、結果として整います。
試験時間そのものは級ごとに決まっています。3級は約5分、準2級は約6分、準2級プラスと2級は約7分、準1級は約8分です。この中に、音読と質問のすべてが入ります。ただし、そのうち音読に何分と決められているわけではありません。時間配分を受験者が管理する必要はないと読めます。急ぐ理由は、公表されている情報の中には見当たりません。
もうひとつ、声の大きさについても指定は見当たりませんでした。面接委員は1人で、個人面接です。相手に届く大きさであれば足りる、と考えるのが自然です。
どこで区切るか
50語を超えると、一息では読めません。息継ぎの位置を自分で決めることになります。
区切る位置は、意味のまとまりの切れ目です。主語のかたまりの後、動詞のかたまりの後、前置詞のかたまりの前。ここで切ると、聞き手にとって自然になります。逆に、意味の途中で切ると、読み手が内容を分かっていないように聞こえます。
この判断は、その場で考えると間に合いません。読む前に、目で追って切れ目に見当をつけておくことになります。これは練習で身につけられる手順です。
練習のしかたは単純です。同じくらいの語数の英文を用意して、スラッシュを入れてから声に出す。何本かこなすと、切れ目の見当がつくようになります。当社が無料で公開している単語教材には、単語ごとに例文と音声が付いていますので、例文を続けて読む形でも練習できます。
目安として、級ごとの語数を文の数に置き換えておきます。あくまで一般的な英文の長さから見た目安で、協会が示したものではありません。
| 級と語数 | およその文の数 |
|---|---|
| 3級(30語程度) | 2〜3文 |
| 準2級(50語程度) | 4〜5文 |
| 準2級プラス(55語程度) | 4〜5文 |
| 2級(60語程度) | 5〜6文 |
文の数で見ると、3級と2級の差は2〜3文ぶんです。1文ずつ確実に読めるようにしておけば、級が上がっても同じやり方が使えます。長さが変わっても、やることは増えません。
読む前にできること
パッセージを黙読する時間が与えられるかどうか、それが何秒かについては、協会の試験内容のページには記載がありませんでした。ここは確認できていません。
当日の進み方そのものは、協会が「バーチャル二次試験」として、入室から退出までを音声つきのアニメーションで公開しています。3級から1級、準2級プラスまでのページが用意されており、4級・5級はバーチャルスピーキングテストとして別に案内されています。準備の一環として、受ける級のページを一度見ておくことをおすすめします。
読む前にできることがあるとすれば、パッセージの題材に目を通して、内容の見当をつけることです。内容が分かっていれば、区切る位置も決めやすくなります。そして、音読のあとには必ずそのパッセージについての質問が1問来ます。読みながら内容を追っておくと、その1問が楽になります。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「英検バーチャル二次試験」(2026年9月9日確認)
読み間違えたとき
読み間違えたときにどうすべきかについて、協会が明記した記述は確認できませんでした。以下は当社の考えです。
手がかりになるのは、準2級以上の観点に「積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度」が挙げられていることです。間違いに気づいたら、そのまま進むより短く言い直すほうが、この観点には沿っていると読めます。
避けたいのは、最初から読み直してしまうことです。時間が余分にかかるうえ、同じところでもう一度詰まることがあります。間違えた語だけを言い直して、そのまま先へ進む。この形を決めておくと、当日その場で迷わずに済みます。
準1級には音読が無い
準1級の二次試験には、音読の課題がありません。代わりにあるのが、4コマのイラストの展開を説明するナレーション(2分間)です。
3級の30語から2級の60語まで増えてきた音読が、準1級では消え、自分で話を組み立てて2分間語ることに置き換わります。準備の重点も、そこで大きく移ります。
ですから、2級までの段階で音読に取り組むことには、その級を通るための意味だけでなく、まとまった量を止まらずに声に出す土台をつくるという意味もあります。60語を詰まらずに読めるようになっていれば、2分間話す練習に入りやすくなります。
出典:公益財団法人 日本英語検定協会「準1級の試験内容・過去問」(2026年9月9日確認)/同「試験日程」(2026年度第2回の二次試験は11月8日・11月15日。2026年9月9日確認)
士心塾では
士心塾は、シャドーイングを軸にした指導を続けてきた塾です。音読の準備も、その延長にあります。
やることは3つです。まず、同じくらいの語数の英文を、切れ目を決めてから読む。次に、自分の声を録音する。そして、前の回と聞き比べる。この3つ目が要です。詰まる場所は、本人が聞き直せば分かります。指摘されるより、自分で気づいたことのほうが直ります。
当社が無料で公開している教材には、単語ごとに例文と音声が付いています。手本の音声に重ねて言う練習ができますので、区切りの位置も耳から入ります。登録は不要ですので、ご家庭でもそのままお使いいただけます。
士心塾の授業で使っている単語と例文(5級〜準1級・10,160語)を、音声・録音とテストのアプリ・印刷用プリントつきで無料公開しています。英検 無料教材の全体/3級の単語一覧/準2級の単語一覧/2級の単語一覧
